10年前 時給288円(月給9万円)+α で働いていた時のこと。

まず、僕はあの時の事を悪く思っていない。

目指すべきところでもない。

 

何事もどん底に行くと、上がどうなっているのかよく見えた。

22歳小さな飲食店の肩書き店長。

 

最低いくらあれば死なないかを聞かれ、

色々計算して、最低9万は必要と言ったら

給料がそうなった。

 

みんなが言うブラック企業なんてせめてサングラスくらいなもんだろ。

まだ景色が見えるって意味だよ。

 

こちらは遮光ガラス、皆既日食のときに使うガラスぐらい真っ暗。

目の前真っ暗。

従業員がキッチンで身体洗ってレストランの屋根裏に仮暮らしとか

やってたレベル。

(昭和の話じゃないよ。)

でも僕らには目指す魔法で作られた光があった。

 

初月、丸々一ヶ月働き、

財布の中身もスッカラカンになりピンチの月末、

『うちの給料は15日払いだから』

といきなりの給料日発表をした

当時25歳のヒップホップ系オーナー。

 

結果12時間を48連勤して初給料は9万円。

 

それがスタート。

金欠の時は店のクレジットカードマシンで

自分のクレカ切って現金化。

 

そんな生活。

 

でも心の中にあったのは、

『今借金が増えてもいい、20代前半なら、まだどっかで取り返せる』

だった。

 

何故ならオーナーには人脈もあり、言葉に不思議な魔力を込めれる。

当時は音楽をやっていて"自作でないちゃんとした"CDも出して、

その当時のフリースタイルダンジョン的イベントにも最年少で出場を果たしている、

いわば、高い山を登ったことのある人の下で働けたのだ。

 

知らない世界がグングン回ってて刺激的だった事と同時に、

僕の借金もグングン増えた。

 

同時進行で通信制高校にも自腹で通っていた。

 

その色んな世界のお客さんからも色んなこと教えてもらった。

学校の宿題の答えも。

 

んで店がどうしたら流行るかを自分なりに研究した。

 

お客さん商売ってなんだろ、

人はどうしたら喜んでくれるんだろ、

なんでカクテル一杯とラーメン一杯って同じ値段なんだろ、

ラーメン屋の店主ほど努力も研究もしてない人が

混ぜた液体が何故ラーメンと同じ値段なんだ?

 

フカカチ?

この一杯に付けられる付加価値ってなんだろ。

 

そーやって

自分でも本読んだりして勉強した、

自己啓発から心理学、サービス、マネジメント

気が付くと苦手だった読書を克服してた。

 

多分できることはある程度実行した。

 

 

 

ただ、僕みたいに若くて無知なことを馬鹿にしてくる人も多かった。

お前もオーナーになりたくて、働いてるんだろ?

もっと勉強した方がいいよ。

GINはまだまだだから。

 

『はい。頑張ります。』

(うちのオーナー酒飲めないし、

日本酒に氷入れてサーブするぞ。って知らないだろお前ら。)

 

 

若さゆえイライラした。

人の固定概念ってこう言うことか、

まじトリックだろ、めっちゃフィルター掛かってるじゃん。

だってオーナー、あなたはラッパーだもの。

私シッテル、あなたはラッパーだもの。

 

僕はマスターに憧れて修行している風をずっと演じなければならなかった。

オーナーも、修行を積んだベテランバーテンダーを演じなければいけなかった。

 

ある日困ってた僕に

よく出来た25歳のオーナーが言うんだ、

GIN、お前を馬鹿にして気持ちイイって言ってるやつは

そのまま気持ち良くさせろ、

お前がそいつをイかせた時

お前の勝ちだから、お前はそこで勝負しろ。

その魔法でそれ以来その馬鹿にしてくる人があまり気にならなくなった。

 

 

色々と

 

 

書いたらキリがないほど

トラブルとイライラがあり、

オーナーの魔法で成長して、

最終的には店を閉店して、

一年ほど借金返済と、高校卒業をまでの期間にして

海外に巣立った。

 

なんて人生経験がない奴らばかりなんだ!?

って思ったわ最初。

 

ちなみに店の名前、ゼンって所。

 

あの生活してさ、

あの時より大変だった事は今のところはない。

 

海水で体を洗う電波もない砂漠にも住んだよ。

でもゼンの方が大変。

 

オーストラリアの北の

一番ハードなバナナ畑でも働いた。

 

水タンク背負って一日泥濘んだ畑を上見ながら

フルマラソンの距離くらい歩く。

 

次の日朝起きて、20分くらい生まれたての小鹿みたいな歩き方になってたし、

 

週末前の仕事終わり近くには、

もう一歩も歩けないって思うこともあった。

 

 

でも

ゼンって所の給料が288円だったこと思い出した時、

あれ、これ比べたらラクな方じゃない?

時給21ドルだよ。

 

って足が軽くなってた。

 

 

コロナウィルス?

自粛?何も出来ない?

 

んー

僕は今やるべきだと思ったかな。

 

店舗をたくさん持っていた強者ほど

弱くなってしまった。

天地がひっくり返ったくらいの衝撃だと思っている。

 

つまり僕ら弱者からしたら、これから大きく入り口が開くってことじゃない?

 

ウィルスに殺されなければさ。

 

 

これを強さと言うのかわからないけど、

こう言う風に発送を転換できるようになった事も

きっかけはゼンだから、

 

それが安い給料に備わっていた付加価値だと思う。

 

 

 

進みたいところに進み続けたいね。

 

書くのに80分掛かった。

 

ちっ

 

 

じゃあな